シンポジウム
【若手企画シンポジウム】(英語による講演)
9月2日(金)(大会1日目)9:30-12:00
シンポジウムタイトル:「環境適応メカニズムの解明と工学的応用」
オーガナイザー:寺尾勘太(北海道大学・学振特別研究員),志垣俊介(東京工業大学・学振特別研究員),大橋ひろ乃(首都大学東京・学振特別研究員)
・企画趣旨:
生物は周囲の環境に応じて適応的に形態・行動を変化させる。この適応メカニズムは近年,遺伝学技術を用いることでその詳細が解明されてきた。本シンポジウムでは,生殖や採餌の経験に基づく行動変化メカニズムの解明と,環境適応能をロボット工学に応用する試みについて紹介する。
演者・演題:
1.松本 英之(ハーバード大学)
「中脳ドーパミンニューロンは報酬コンテクストに応じて「価値」の予測誤差信号を伝える」
2.宇賀神 篤(玉川大学・学振特別研究員)
「ミツバチにおける初期応答遺伝子の解析−保存性, 特異性の高い2つの遺伝子について−」
3.横井 佐織(基礎生物学研究所・学振特別研究員)
「メダカの配偶者防衛行動を制御するバソトシンシステム」
4.清水 正宏(大阪大学)
「メカノバイオロジーに基づく生体機械融合型ロボット」
【公募シンポジウムⅠ】(英語による講演)
9月3日(土)(大会2日目)10:00-12:30
・シンポジウムタイトル:「ニューロンから羽ばたきロボットへ:動物の飛行制御のしくみを明らかにする」
オーガナイザー:安藤 規泰(東京大学・先端科学技術研究センター)
企画趣旨:
羽ばたき飛行は,生物の優れた運動機能の一つであるだけでなく,乱流などの外乱や翅の損傷など障害に強い点が,あらたな小型無人機の開発に貢献することが期待されている.このような飛行のしくみには,ニューロン,筋骨格系,羽ばたき運動,そして空気力の発生と,様々な要素が関与している.近年の光遺伝学を始めとする神経科学や計測技術の発展,計算機の能力の飛躍的な向上や微細加工技術の進展により,課題であった飛行制御の理解が進み,昆虫サイズの羽ばたき機の実現も夢ではなくなってきた.本シンポジウムでは,各階層における飛行制御のしくみを研究する4名の研究者が講演する.シンポジウムの要点は,動物の運動は,生理学・生化学的な「能動的」な要素だけでなく,体の構造や物性がもたらす「受動的」な要素との相互作用で生み出される,ということである.「生物は何をどこまで制御しているのか?」,その答えを得るヒントになれば幸甚である.
演者・演題:
1.並木 重宏(東京大学・先端科学技術研究センター / HHMI Janelia)
「飛行をコントロールするニューロン」
2.安藤 規泰(東京大学・先端科学技術研究センター)
「羽ばたきをコントロールする筋骨格系」
3.Sridhar Ravi(ビーレフェルト大学・神経生物学)
「乱流中の飛行を可能にする受動的・能動的な運動特性」
4.田中 博人(東京工業大学・大学院理工学研究科)
「生物を規範とした実サイズの羽ばたき飛行ロボットをつくる」
【公募シンポジウムⅡ】(日本語による講演)
9月4日(日)(大会3日目)9:30-12:00
・シンポジウムタイトル:「ビッグデータ時代と比較生理生化学」(仮)
オーガナイザー:尾崎 まみこ
企画趣旨:
私達の学会は「比較とは何か、その意義と意味」を映しながら変遷してきましたが、近年、網羅的な研究方式が進み、ビッグデータの取得と活用が日常茶飯事に行われるようになってきました。多様なデータを扱う手法や解析を通して周辺研究分野との触れ合いも活発になってきました。その様な時代背景の中で比較生理生化学の立ち位置を再考する機会となればと思います.
演者・演題:
1.重信 秀治(基礎生物学研究所)
「ビッグデータと向き合う:非モデル生物ゲノミクスの挑戦」
2.長谷山 美紀(北海道大学)
「ビッグデータ時代の発想支援型画像検索~ 生物の微細構造が有する機能の発見法~」
3.加沢 知毅(東京大学)
「Integrating multimodal knowledge of insect brain via constructing biophysically detailed neural circuit simulations」
[注意事項]
シンポジウムの演者の方は,各自PCを用意して下さい。会場にはVGAあるいはHDMIケーブルでPCと接続できます。Mac PC持参の方はアダプターも用意して下さい。大会で用意するPC(windows用)の使用を希望される方は事前にご連絡下さい。