シンポジウム

シンポジウム1(英語による講演)

11月25日(土)(大会1日目)9:30-12:00 Conference Hall

シンポジウムタイトル:「動物と光:光生理学と光遺伝学」

オーガナイザー:深田吉孝(東京大学大学院理学系研究科),寺北明久(大阪市立大学大学院理学研究科・複合先端研究機構)

趣旨・内容:
生物と光との関わりを解明することは、古くから比較生理生化学の重要な研究テーマの1つである。近年、動物の視覚以外の光受容(非視覚)や微生物の光受容について、多様性やそれらの分子基盤が明らかにされつつある。一方、これらの研究において見出された光受容タンパク質が、神経科学や神経行動学の分野で「光遺伝学」として、注目されている。すなわち、光受容タンパク質遺伝子を目的とする神経細胞に導入・発現させ、光でその標的細胞の活動を非接触で制御することにより、その神経細胞の機能を解明しようとする研究が急速に発展してきた。そこで本シンポジウムでは、光受容タンパク質の多様性研究、光受容の比較生理生化学的研究、光遺伝学を利用した生理学的研究等に関する講演から、比較生理生化学における光生理学や光遺伝学の発展性や問題点について議論したい。

スピーカー(敬称略)

  • 小島大輔(東京大)
    「ゼブラフィッシュ幼生の体色変化を制御する光受容機構」
  • 小柳光正(大阪市大)
    「動物の非視覚光受容タンパク質の多様性と光操作への応用」
  • 須藤雄気(岡山大)
    「微生物型ロドプシンの多様性とそれらの光遺伝学的な有用性」
  • 山中章弘(名古屋大)
    「光遺伝学・光生理による睡眠覚醒と記憶の制御メカニズム解明」
  • 能瀬聡直(東京大)
    「光生理学とコネクトミクスで紐解くショウジョウバエ幼虫の行動制御回路」

シンポジウム2(日本語による講演)

11月26日(日)(大会2日目)9:30-12:00 Conference Hall

シンポジウムタイトル:「脳における時間の計測、解読、制御の神経機構」

オーガナイザー:藍浩之(福岡大学)、山脇兆史(九州大学)、志賀向子(大阪大学)

趣旨・内容:
動物は、様々な感覚信号から時間成分を計測し、同種の識別やなわばり認識、行動制御に用いています。例えば電気魚の混信回避行動を引き起こす電気信号の計測と解読、匂いプルームの受容タイミングによる匂い源探索、雄ショウジョウバエの求愛歌特有の時間パターン計測による同種異性認識、カエルの衝突回避行動や着地準備行動のタイミング制御の研究が近年精力的に進められてきています。これら時間情報を脳はどのように処理しているのでしょうか?本シンポジウムでは、脳が時間をどのように計測、解読し、また時間を伴う行動をどのように制御しているのかを議論します。講演の最後にパネリストを加え、本テーマについて総合討論いたします。

スピーカー(敬称略)

  • 小橋常彦(名古屋大学)
    「モルミリド科弱電気魚の電気コミュニケーションを担う、電気感覚回路の時間計算」
  • 櫻井健志(東京大学)
    「雄カイコガの効率的なフェロモン源定位を可能にする分子・神経機構」
  • 石川由希(名古屋大学)
    「ショウジョウバエにおいて音の時間パターンを情報処理する神経機構」
  • 中川秀樹(九州工業大学)
    「カエルの衝突回避行動におけるタイミング制御と行動計画」

パネリスト(敬称略)

  • 神崎亮平(東京大学)