- 2025/4/22
Summary
雌チョウは産卵においては,前肢先端の跗節に存在する感覚毛(味覚感覚子)によって植物の葉に含まれる成分である産卵刺激物質を検知する。ジャコウアゲハにおいて成虫前肢及び幼虫の味覚感覚子について観察と味覚応答実験を行った。
チョウは,産卵や摂食において味覚を使用している。雌チョウは産卵においては,前肢先端の跗節に存在する感覚毛(味覚感覚子)によって植物の葉に含まれる成分である産卵刺激物質を検知する。
ジャコウアゲハにおいて成虫前肢及び幼虫の味覚感覚子について観察と味覚応答実験を行った。図は,ジャコウアゲハ成虫の前肢(腹側)の走査型顕微鏡(SEM)写真である。上側が先端で跗節部分。左から,雄の前肢跗節,雌の前肢跗節,雌の長い感覚毛(味覚感覚子)。
黄色の矢印は長い味覚感覚子,ピンクの矢尻は短い味覚感覚子。右の写真は雌の2種類の長い味覚感覚子の写真。黄色の矢尻で示しているのがlong A typeで,緑の矢尻で示しているのがlong B typeで,long B typeは雌しか存在しない。このlong B typeは産卵のために必要
東北学院大学 情報学部 土原 和子
(出典: 学会誌「比較生理生化学」Vol.42 No.1 表紙より)