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ゼブラフィッシュの逃避運動を駆動するマウスナー細胞

  • 2020/07/31

Summary

刺激を受けて左右いずれかのマウスナー細胞が活動電位を発生すると,反対側の胴筋を支配する運動ニューロンが一斉に興奮し,胴が一方向に屈曲して逃避運動が始まる。

 左:マウスナー(M)細胞は,真骨魚の後脳に存在する網様体脊髄路ニューロン群の中で抜きんでて大きな一対で,側方の聴神経に向かって樹状突起を伸ばし,軸索を反対側の脊髄全長に伸ばしている。図は受精後5日齢のトランスジェニックゼブラフィッシュTol056の後脳の水平断面を示す(上が吻側,下が尾側)。M細胞を含む交差性の網様体ニューロン群にGFPが発現されている。M細胞の尾側に左右二対存在するのは,左右のM細胞間の相互抑制(相反抑制)を中継する介在ニューロン(Ta1細胞とTa2細胞,本文参照)。
 右:刺激を受けて左右いずれかのマウスナー細胞が活動電位を発生すると,反対側の胴筋を支配する運動ニューロンが一斉に興奮し,胴が一方向に屈曲して逃避運動が始まる。図は,静止していたゼブラフィッシュ(5日齢)に音/ 振動刺激が与えられて,12ミリ秒後に最大の屈曲(C字屈曲)を示し,その後反対側に胴を曲げて(カウンターベンド,25ミリ秒後)刺激から遠ざかる様子を示す。

ゼブラフィッシュの逃避運動を駆動するマウスナー細胞

1名古屋大学大学院理学研究科,2自然科学研究機構基礎生物学研究所,3名古屋大学国際機構

島崎 宇史1,2・小田 洋一1,3

 

(出典: 学会誌「比較生理生化学」Vol.37 No.2 表紙より)

 

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