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メダカを用いた分子遺伝学的手法による魚類「社会脳」の分子神経基盤の解明

  • 2014/10/6 
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Summary

オスとメスを透明なガラスで仕切ってお見合いさせておくと,メスの脳では終神経GnRH3ニューロンとよばれる大型神経細胞の電気的活動が活性化し,「見ていたオス」の求愛を受け入れるモードになる。

 ヒトを含む多くの動物において「相手を知っているか否か」という面識の有無が性的パートナーを選択する決め手になる例が数多くある。例えば,グッピーは「面識のない新奇な異性」を性的パートナーとして選択する傾向がある。このようにいくつかの魚類は異性を個体識別して記憶する能力を持っており,その能力に基づいて性的パートナーを選択する。本総説ではメダカにおいても,面識の有無が性的パートナーを選択する決め手になっていることを解説する。オスとメスを透明なガラスで仕切ってお見合いさせておくと,メスは「見ていたオス」の求愛をすぐに受け入れ,他のライバルオスはメスをめぐる闘いに勝つことができなくなる。さらに,性的パートナーを受け入れる際に,拒絶から受け入れへとモードを切り替えるための神経細胞を同定した研究について解説する。メスの脳では特定のオスを見ることによって終神経GnRH3ニューロンとよばれる大型神経細胞の電気的活動が活性化し,「見ていたオス」の求愛を受け入れるモードになる。(株)ドキュメンタリーチャンネル藤原英史さん撮影

東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 奥山輝大・竹内秀明

 

 

(出典: 学会誌「比較生理生化学」Vol.31 No.3 表紙より)

 

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