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頭足類の眼の多様性

  • 2013/3/18 

Summary

軟体動物の中でも頭足類は,巨大で細胞数の多い脳や優秀なカメラ眼を持ち,軟体動物では,脊椎動物と似たカメラ眼のほかにピンホール眼・ミラー眼や複眼など様々な形態の眼が存在する。

 写真は共同研究者の滋野修一(海洋開発機構)および吉田真明(国立遺伝学研究所)が撮影したもの。頭足類の中でも原始的なオウムガイはピンホール眼をもち,イカはカメラ眼を持っている。
 軟体動物の中でも頭足類は,海の霊長類ともよばれ,巨大で細胞数の多い脳や優秀なカメラ眼を持っている。軟体動物では眼の形態に非常に多様性があり,脊椎動物と似たカメラ眼のほかにピンホール眼・ミラー眼や複眼など様々な形態の眼が存在する。メカニズムとしては,ゲノム重複による遺伝子の増加やnon-codingRNAの増加,遺伝子の獲得/消失による遺伝子ネットワークの変化,リピート増加による転写制御メカニズムの複雑化,発現制御系や転写後/翻訳後修飾系の変化による複雑化などのいろいろな要因が考えられるが,まずゲノム構造の進化に着目し,頭足類ゲノムコンソーシアムの設立,ゲノムシーケンシングなどを通して基本データの確立と新規アプローチを模索している。

徳島大学疾患プロテオゲノム研究センター 小倉 淳 

 

 

(出典: 学会誌「比較生理生化学」Vol.30 No.1 表紙より)

 

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