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カイコガ神経データベースとその活用

  • 2011/12/28 

Summary

アメフラシの一種Aplysia californicaは,捕食者に襲われた時に複数の防御物質を含んだ紫色の液体を放出して身を守る。

「生物脳の全脳シミュレーションにむけて-カイコガ嗅覚・運動系シミュレーション-」では,カイコガにおける脳画像,神経細胞内染色画像および神経活動応答データを統合的に管理,共有するデータベースに基づき,カイコガ標準脳地図を構築している。
 理化学研究所の進める次世代生命体統合シミュレーションソフトウェアの研究開発「生物脳の全脳シミュレーションにむけて-カイコガ嗅覚・運動系シミュレーション-」(代表,東京大学・神崎亮平)では,カイコガ(図左上)における脳画像,神経細胞内染色画像および神経活動応答データを統合的に管理,共有するデータベース(図右上,中央)に基づき,カイコガ標準脳地図を構築している(図左下)。標準脳に細胞内染色画像より抽出された細胞形態を登録していくことで,神経細胞の投射領域,細胞間の結合状態予測などへの応用が期待される。現在, フェロモン刺激に対する定位行動に関する神経回路特性と細胞応答の関連に関するシミュレーション解析を進めており(図右下)神戸にある「京」コンピュータへ実装も行なっている。

兵庫県立大学環境人間学部 池野 英利
東京大学先端科学技術研究センター  神崎 亮平,加沢 知毅

 

 

(出典: 学会誌「比較生理生化学」Vol.28 No.4 表紙より)

 

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