- 2010/1/8
Summary
ヨーロッパモノアラガイの味覚嫌悪学習について、セロトニン分泌細胞Cerebral Giant Cellに着目した分子レベルの解析を進めている。
淡水棲巻貝であるヨーロッパモノアラガイ(図左上)は古典的条件付けの一種である味覚嫌悪学習を習得し,長期記憶として保持する。味覚嫌悪学習では,嗜好性の味覚刺激であるショ糖溶液を条件刺激,忌避性の味覚刺激KClを無条件刺激として組み合わせてトレーニングを行う(図左下)。学習行動はショ糖溶液に対するそしゃく行動の減少として評価される。現在は,同学習の鍵となる神経細胞としてセロトニン分泌細胞Cerebral Giant Cell(図右,緑)に着目し,分子レベルの解析を進めている。細胞染色図は徳島大学香川薬学部に所属する川合亮氏の御好意により提供いただいた。
徳島文理大学香川薬学部 定本久世
(出典: 学会誌「比較生理生化学」Vol.26 No.4 表紙より)