- 2024/3/27
Summary
2024-2025年度JSCPB会長からのご挨拶です。
会長就任のご挨拶/志賀 向子 (大阪大学大学院理学研究科, 生物科学専攻)
2024年1月より日本比較生理生化学会の会長を務めることとなりました。持てる力を十分引き出して、本学会の発展に向けて誠心誠意務めさせていただく所存です。どうぞよろしくお願いいたします。
本学会の特色を第8代会長の曽我部正博先生がとても分かりやすく説明されています。「“多様な動物を対象に、その形態や機能・行動にどのような意味があるのか、そしてそれがどのような仕組みで実現されているのかを、分子レベルを含めた多角的な手法と視点から解き明かす”ことにあります。その成果は、生物の多様性と共通性の起源と意義を理解し、自然との共生の途を見つけるという人類の大きな夢に繋がっています。」私はまさにこの言葉で表される本学会が好きで、約35年間本学会に育てていただきました。これを考えると、今回会長として務める機会をいただけたのはとてもありがたいことと受け止め、自分が大切に思うこの学問のために何ができるか、会員の皆様の意見をいただきながら考え、実行に移す所存です。
これまでの学会長のご尽力により、学会の英語化、出版事業、学会誌紙媒体の継続、学会運営業務の効率化などが進められました。これらはおそらくひと段落ついた状況であり、私もこれらを引き継ぐ方針です。継続して取り組まなければならないものとして、会員数の減少をいかに食い止めるかという問題があると考えています。これまで、将来計画委員会にて、学会活動の活性化方策の検討が行われ、具体案が議論されてきました。また、寺北前会長のご判断により学会HP運営を業者に依頼する形となり、様々な活動をHPで発信しやすい形となりました。今期は、これらを基礎に学会活動の活性化を具体化し、将来計画委員会の協力を得ていくつかチャレンジし、良い方向を探りたいと考えています。若手の会が自主的に様々な活動を実施していることも、大変頼もしくとらえ、親学会としてできるだけサポートしたいと考えています。即効性はないかもしれませんが、会員数の減少を食い止めるためには学会をより活性化し、魅力的なものとする努力を継続することが重要であると考えます。
また、アウトリーチ活動として、HPコンテンツにある「Who‘s Who」と「生きるしくみ事典」の充実および活用を進めることを考えます。学部の専門授業でレポートを書いてもらうと、時折生きるしくみ事典を参照する学生がいます。これらも我々学会のアウトリーチ活動として貴重なコンテンツとなっていることを実感する次第です。こちらについてはネットワーク委員会および出版企画小委員会の協力を得て、進めます。
さらに、男女共同参画の推進にも取り組みたいと考えます。我々の生理学・生化学分野では大学院生や博士号取得者のうち女性の割合は、他の理工系分野に比べ決して少なくありません。そのような中、ジェンダーが偏った講演会などは学生たちに向けて誤った指針を出すことにもなりかねません。まずは、男性女性にいずれか極端に偏った構成に対しては、あれ?おかしいなという意識を会員の皆さんとともに持ち、バランスの取れた学会を目指したいと考えます。
学会の運営は、多くの会員のサポートにより成り立ちます。2024年度の役員、委員の皆様とともにより一層の本学会の活性化と発展に尽力したいと考えています。会員の皆様からも学会の活性化、運営の効率化などについて積極的なご意見をいただければありがたい次第です。ご支援どうぞよろしくお願いいたします。
日本比較生理生化学会
会長 志賀向子