- 2022/3/2
Summary
2022-2023年度JSCPB会長からのご挨拶です。
会長就任のご挨拶/寺北 明久 (大阪市立大学大学院理学研究科, 生物地球系専攻)
この度、2022年1月より、日本比較生理生化学会の会長をお引き受けすることになりました。微力ではありますが、会員の皆様のお力添えのもと、学会の発展のお役に立てるように努力する所存ですので、どうぞ宜しくお願い致します。
まず、自己紹介として、私と本学会との関わりについて述べます。私自身は、光受容タンパク質(分子)を出発点とする光生理学・生物学を専門としており、どちらかというと比較生理生化学の「比較生化学」に分類される分野の研究者です。私が本学会に入会しましたのは、およそ38年前の1984年、私が修士課程(今の前期博士課程)1年生の時でした。恩師(指導教員)である故原富之先生と故原黎子先生の勧めで、筑波で開催される第6回日本動物生理学会大会でポスター発表するために入会しました。これが私の学会発表デビューでした。今日まで、大会にはほぼ毎回参加し、講演や発表はもちろんのこと、懇親会等を通して、多くの同僚や会員から刺激を頂いて参りました。また、1997年に吉田奨励賞を、そして2018年に学会賞を頂き、研究の励みとしてまいりました。
次に、これからの任期2年間で、取り組むことができればと、考えていることを書かせて頂きます。本学会の活動の柱は、申し上げるまでもなく学会誌の発行と大会開催です。学会誌については、紙媒体での発行を当面継続することを、前会長の深田会長がお約束されました。特段の理由が生じない限り、私もそのお約束を継続する所存です。大会開催については、新型コロナウイルス感染拡大により、開催スタイルの変化を余儀なくされ、一般的にオンライン開催が新しい標準スタイルの1つとなりました。2020年の山形大会は対面開催で、昨年の札幌大会はオンライン開催でした。新型コロナウイルス感染拡大の波、政府や自治体等の感染拡大対策の変動など、今後も大会運営が難しくなることが危惧されます。私は、学会大会がどのような形式であっても必ず毎年開催できるように、学会本部として大会準備委員会をバックアップし、柔軟に対応して行きたいと考え、そのバックアップの仕組みを整えることが重要であると考えています。
また、学会員数の減少に歯止めをかけることはできないか、とも思っています。図に示しますように、全体として減少傾向にありますが、学生会員は横ばいか、わずかに減少している程度です。そこで、学生会員を増やす工夫・努力をまずは行ってみるべきであると思っております。本学会は、当然ですが比較生理生化学の発展に貢献するべきです。次世代の比較生理生化学を牽引する学生やポスドクに入会して頂き、学会を盛り上げて頂くとともに、次世代を担う比較生理生化学者として活躍して頂きたいと思っています。まずは単純ですが、学生を指導されている会員の皆様が、一人でも多くの学生に本学会大会で発表行うように勧めて頂ければ、少しずつでも学生会員・若手会員が増加するように思います。
最後に、学会の運営に関する思いについて書かせて頂きます。会員の皆様は、本学会が唯一の所属学会ではなく、他の学会や協会に所属されていると思います。私も本学会の他に複数の学会の会員です。複数の学会での活動を続けていく中で、学会運営や社会貢献の用務を担当する機会も増加します。学会は、本来、それぞれの会員の学術的な活動の場であるにも関わらず、昨今、それらの用務により、時には研究活動がディスターブされると感じておられる会員の皆様も多いのではないかと思います。学会運営は会員により支えられているのは当然ですが、本学会運営において、活動の質を落とすことなく効率化できる部分はないか、議論を開始できればと考えております。
以上、それぞれの課題について、どこまで実現できるかは分かりませんが、努力する所存ですので、ご意見をお聞かせ下さいますようお願い致します。ご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
図 学会員数の変遷
日本比較生理生化学会
会長 寺北 明久